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2006.02.16

字と名

また、本を買ってしまった。

人名字解人名字解である。漢字研究第一人者にして平凡社ではお馴染みの白川静氏による、平凡社発行の本である。
相変わらず、インテリジェンスに溢れるものの商売ベタそうな平凡社に愛おしさを募らせつつ、この手の辞典本には目がない私としては、1.900円の手ごろな値段にも惹かれて、ついつい買ってしまったというわけだ。
漢字辞典は、長らく旺文社の漢和中辞典を手元に置いているのだが、本当は漢字の成り立ちを含めた字義という点では若干物足りなく思っていたものである。ぺらっと本屋で中身を確認してみたところ、さすがに解説が詳しく、しかも判りやすい文章だったので、気に入ってしまった。次は常用字解を買おう。

漢字への憧れは人より強い方だと思う。本名が”うるみ”と大して変わらない平仮名オンリーの名前であるというのがその原因なのだが、文字を習い覚えだす小学校時代から、自分の名前へのコンプレックスと漢字への憧れは強くなっていったような気がする。

*****

祖父は、江戸下町で漆器の問屋を営む兎グッズコレクターのクリスチャンという、江戸っ子なんだかよく判らない人だった。その祖父が、私が8歳になる頃、姉妹それぞれに角印を作って送ってくれた。姉の中学入学に合わせてのことだったので、大人のお祝いというつもりだったのだろうが、送られてきた判子を見た私と姉は酷く落胆した。小さな堆朱の判子は、今見れば伝統工芸の美しさを感じるのだが、当時はジジくさい朱色の小さな判子としか思えなかったし、なにより女性用ということで名のみを彫りこまれた判子は朱肉をつけて押印してみると、どうにも情けない印象しか残らなかった。

私も姉も名は平仮名三文字である。
なのでどう見てもその印影は、そこらのファンシーショップ(当時はそういうショップがあった...)で500円くらいで売っている判子と変わらないのだ。

貰ったはいいが、今日まで一度も使ったことはない。
せめて名前が漢字だったら...と思った一番最初の記憶である。

※今取り出して見てみると、字体や角印にどことなく味があるような気がしてきた。例えば、俳句をしたためた短冊や、墨絵を描いた葉書にこの印が捺してあったら、なかなか粋かもしれない。が、残念なことに私にはその手の趣味が皆無である。
御爺様ごめんなさい。

*****

小学校も高学年になると、書道の時間に草書体というものを習ったものである。自分の字を崩して書くのである。草書体は素敵だ。英語の筆記体のように、途端に雅にそして字が巧いように見えるから不思議だ。
級友達はそれぞれ、先生にお手本を書いてもらい、次々とそれなりに雅な感じに見える自分の名前を書いて行った。
が、私の場合...。
センセイがお手本を書いても書いても、草書のはずが楷書とまったく差が出ない。「うーん、変わらないわねぇ」と言いながら何度かお手本を書きなぐって頑張っていたセンセイもついに諦め、これをお手本にして書いてみなさいと渡されたものは、いつものお手本と殆ど変わりが無かった。
級友達には「うるみちゃん、いいなぁ簡単で」と言われるものの、まったく嬉しくなかった。さらさらと筆を滑らせ、一見判読不能な私だけのサイン。そう、その時期といえば芸能人でもアメリカ大統領の調印式のサインでも、とにかく”サイン”というものに憧れる時期である。その頃には筆記体で自分の名前を書くことは完璧にマスターし、次は雅な草書体!と胸躍らせていた少女うるみの落胆はいかばかりか...。

せめて名前が漢字だったら...と思い、無意味に漢字を当ててみたりした最初の記憶である。

*****

そういえば、この本を買った時に韓国人の元同僚と一緒だったのだが、非常に興味深そうにしていた。「日本人はやっぱり名前を決める時、漢字の意味とか組み合わせとか調べて決めるの?」と聞かれたのだが、どうなんだろう?字画はやっぱり気にするのだろうし、文字の意味というの気にすると思うのだけど、成り立ち時の意味まで調べたりするもんなんだろうか?最近の名前ランキングを見ていると、その名前の響きとか、現在知られている字義のみでつけられているような気もするけれど。
まぁ、きっと名づけ親それぞれなんだろうなぁ。

私自身は、漢字ですらないし。
なんで漢字を当てなかった!と思春期に親に詰め寄った時、「名付け親はオヒゲおじちゃん(誰だそれはっ!)だったんだけど、漢字を当てなかったのは、その字に束縛されることなく、あらゆる意味を持つようにと思ったから」と言われた。そう言われると、なんとなく親の愛情を感じるような気もして、それ以来恨み言をいうことはなくなったが、それでも遊びで感じを当ててみたりすることはやめられなかった。
っつか、なぜに名付け親が別にいるのだ?もしかしてそこに何かドラマとかあったりする?多感な少女としては、そっちの方が気になったものだ。

某童話の主人公の名をつけられ、子供の頃はそれはもうよくからかわれたものだったが、幸せを見つけられますようにとの願いがこもった名であるので、今は嫌いではない。が、この名前、身近にある幸せをいつまでも見つけられない間抜けな人間である。という意味も含まれている。

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Comments

私の名前は恵まれるようにとつけられたそうだが、あまり恵まれている感じはない。
しかし、ここ一番の運はいいような気がする。

病気がちだが死ぬことはない。
事故にあうが生きている。
泥棒にはいられるが捕まる。
貯金はできないが借金もしない。

もしかすると・・・
ホントはものすごく運の悪い人間なのに
何とか生きていられるのは名前のおかげかもしれない。

ちなみに。
娘の名前をひらがなにしようとしたとき
うるみさんの話を思い出し、漢字にしました。
そして今はなき地域振興券(覚えてる?)で名前の判子を作りました。
確かにひらがなだと土産物屋の「○○ちゃん」のスタンプみたいになるかもしれん。

私の名前の由来を昔聞いた事があるんですが、

叔母(母の妹)が宝塚のベルバラが大好きで、初めて見た時のオスカル役が
当時のトップスター榛名ゆりさん。
彼女に惚れ込んだ叔母は「子供が出来たらはるなってつけるんだ」と決めて
いたそう。
その話をうちの父にしたところ、「それいいじゃん」ってな感じかどうかは
知らんけど、その名前をパクってあたしにつけたらしいです。

聞いたとき、結構切なかったです。。。。。っていうか叔母が気の毒。

>めんたん
キミの身の上に起こることは、とんでもないことが多すぎるような気がするけれど、確かに今生きているし、旦那も子供も家も車も持ってるし...羨ましいことがイッパイだ。
とはいえ、その激痛経験を聞いていると、とてもとても無責任にあんたは幸せだよなんて言えないさ。
私、もうちょっと頼れる友人になるので、名前に守ってもらってでも何してでも元気で長生きしてください。
おじょーさまのお名前は平仮名にしていたら、それはそれで可愛いが、判子になったら間違いなく安いスタンプだ!

>はるちゃん
そ、そうだったのか!はるちゃんの名にそんな秘密が。って、もしかしたら小樽の時に聞いたような気がしないでもない。

中学生の同級生で、おじいちゃんが小柳ルミ子のファンだったので、まんま「ルミ子」と名づけられヤサグレていた子がおりました(^^;;
実在の人物、特に政治家・芸能人の名前からつけるのって要注意だよねぇ。
とはいえ、はるちゃんは、なんか名前の通りに優しいお人柄で、とっても似合っていると思うなりよ。

うーむ、名前に人生ありですなあ。
僕はかなり似たような感情を姓についてずっと持ってました。
だから友人に呼んでもらう時ははみんな下の名前かオミツなんですよ。
姓で呼ぶのは会社のひとだけ。今はそんなに気にして無いけどね。
非常に興味深く読ませてもらいました。

一番最初にうるみさんとお会いして名前を聞いたときから、すごく可愛くていい名だと思ってました。
やっぱり響きがいいですよね。
ひらがななのが、より可愛らしくてステキだと思います!

私も学校の宿題かなにかで、親に名前の由来について聞いたことがありました。
父方の祖父がお世話になってるお寺の住職さんに相談したところ、
「この娘は、キミエかカツエという名前にしたら幸せになるだろう」と言われたそうです。
どうして、どっちもおばあちゃんみたいな名前なんだろう。。
でも両親があててくれた漢字は結構スキです。

>omitsuさん
そっか、苗字もあるよねぇ。
私、苗字でも散々からかわれました。
苗字先頭二文字にちゃん付けは今でも拒否してます(笑)


>kimieちゃん
ありがとー。おばあちゃんになっても”うるみばあちゃん”ですよ。そう考えるとちょっと切ない。
今気がついたんだけど、私、kimieちゃんの漢字知らないかも~!今度教えてくださいな。

当たり前だけど、みんなその名前になってから知り合っているわけで、その名だからこそその人って感じですね。「名は体を表す」というのは本当だと思うなり。

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