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2006.02.26

労働者M

これまでケラリーノ・サンドロヴィッチの演出を観てねぇということで、シアターコクーンの「労働者M」を観てきた。

キャストはこんなん

堤 真一 :牧田/ゼリグ
小泉今日子 :ミミ/リュカ
松尾スズキ :黛/ランプ/父
秋山菜津子 :モリィ/ユードラ/母/教師4
犬山イヌコ :ミドリ/サキ/ロラン夫人/社長
田中哲司 :目崎/クラウス/窓口の男
明星真由美 :花本ミサオ/ハンナ/ニセ小泉/教師3
貫地谷しほり :アヤカ/レナータ/妹/教師5
池田鉄洋 :益子/トマッソ/ニセ堤/ギョタン博士
今奈良孝行 :三島/ダントン/看守の男
篠塚祥司 :宇多/ピエンタ/教師2
山崎 一 :森/ポタージュ/教師1

作・演出:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

以下、感想。

近未来の収容所と現代のとある事務所。二つの世界が並行して描かれる。
二つの世界の共通項は「こんな生でも死ぬよりはマシだよね」だろうか。
自由と引き換えに、食と住を保証する収容所。
自殺を思いとどまら留まらせ、ネズミ講にひきこんでいく事務所。
交錯するようなしないような。
近未来の収容所は”M”という人物によって管理されている。
現代の事務所関係者は”M”のイニシャルを有している。
二つの世界とも、トップにあるべき人間は姿を消している。
なんか、仕掛けがいっぱいありそうな、そんな予感の始まり。


率直に、飾らない言葉で、見栄をかなぐりすてて感想を述べるならば。

面白くなかった
あれがケラの芝居なら、私はケラ駄目だわ

の二言になると思う。見て損したとか、金返せなどとは全然思わないんだけど、悔しいことに合わない芝居だった。
舞台観ていて、あんだけ寝たのは初めてだった。意識を失っていたのは1回につきどんなに長くても30秒程度だろうけど、その睡魔が断続的にかなりの回数襲ってきた。正直、一幕終了時点で帰ろうかと思ったほどに、眠くて眠くてしょうがなかった。

二重世界構成だとか、コクーン芝居っぽくないとか、物語の盛り上がり感にかけるとか、そういうことで駄目なわけではないわけで。多分、あの芝居の空気感が本当に私に合わないんだろうと思う。
淡々とした芝居も好きだし、グロ系の芝居も平気だし、オチが曖昧な芝居だってそれほど嫌いなわけではないのだが、淡々とオチ投げの合わせ技でこられるのは苦手なのかもしれない。

わけわか世界とか高難度解釈とかでも、感動する場合は感動するもんだと思っているんだけど、今回はダメだったわ。比べるものではないのかもしれないけど、私の中のわけわか世界No.1である「走れメルス」を観た時のような、理解できないのにパニックになるほど感動するというような感覚は得られなかった。

こういう二重世界構造のお話の場合、感覚的に捉えた方が自分としては感動しやすいということが判っているので、かなり意識をフラットにして観るに努め、自分の解釈の組み上げは観終わってからでもいいやと思っていたのだけど、どうも入り込めなかった。観終わってからも全然組み上げられない。で、無理に解釈しようとしないで、あるがままを反芻すると「んーーーーーー。で?」という感じになってしまう。

それぞれの場、合間合間の小芝居の台詞はかなり面白かったし、役者陣は職人揃い。でも、やはり繰り返し方が同じで単調なため、後半飽きてきてしまった。笑いに関しては、笑おうと思えば笑えるんだけど、試しに笑いスイッチを切ってみたらピクリとも頬が緩まなかった。

帰り道にパンフを読んでいて、「平均化」病であるというケラのコメントを読んでいて、なんとなく納得してしまった。そして、この芝居、演じる役者の力量によりかなり変わるのではないかと思われた。

睡魔に侵されたとは言っても、一度も眠気をもよおさなかったのは、松尾スズキと秋山菜津子の演技。この二人が出ている場面は全然眠くなかった。面白かった。役柄もあるのかもしれないが、やっぱりプラスαでにじみ出てくる演じ方が凄かった。コミカルな演技も、シリアスな演技も。この二人は脚本以上のものを表現していたような気がする。
松尾スズキのシリアスは、ピッとするような間がなんとも言えず緊張する。コミカルな台詞もなんとなし、ワクワクするような緊張が走る。やっぱり色気がある。
秋山菜津子は...。これまで観た舞台、観るもの観るものすべて素晴らしかったのだが、やっぱり今回もさすがだった。「ちょっと可笑しいキャラクター」の”ちょっと可笑しい”ぶりが、全然嫌らしくない。

他には、犬山イヌコもよかった。冒頭の社長は、思わず心の中で「ニャースだ!ニャースが喋ってるぅぅ」と大爆笑してしまったが、その他のキャラクターの厚みが見事。やっぱり巧い。この人って、女性らしい女性を演じると南果歩に似ているような気がする。

なんというか、この三人が演じたキャラクターは、余裕があるというか、さらに奥がありそうな雰囲気があった。他のキャラクターは舞台上の性格がすべてのような、さらに奥があるというような想像力を掻き立てられなかった。
田中哲司や山崎一ら他の役者陣も、さすがの実力者揃いって感じだったんだけど、プラスαとか厚みとかいう点でイマイチで眠気を誘ってしまった。職人っぽく巧いんだけど、単調な展開の中でかなり早い時点でキャラクターが判ってしまうので、一通りこなした後が退屈になってしまった。

一応クレジット的には主役になる、堤真一と小泉今日子。
小泉今日子は、声と喋り方が好き。リズムがいいし、色気もある。
思ったよりずっと舞台芝居上手だった。これ以上を求めるのは酷というほど、いい出来なのだと思うのだけど...。

フジTV「ピュア」で初めて観て以来、ずっと好きだーー!と思っていた堤真一なんだけど、ここにきてちょっと...。「キル」「アテルイ」「吉原御免状」そして「労働者M」。私が観た堤舞台。あれれれ...。演じ方が全部一緒かもしんない...(^^;;
現代舞台の牧田は「やまとなでしこ」の筧さんそっくりだ(髪型も含めて)。
声もいいし、相変わらずカッコイイし、なんだけど、あれれれれ...。
堤スキーの自信がなくなってきた。

録画してあるKERA・MAPを観て、ほんとーにケラが合わないのかどーか確認してみよう。

<蛇足>
本日日曜日観に行ったんだけど、実は昨日土曜日にシアターコクーンまで行った。開演待ちの行列に並んでいる時にチケットを観て、明日(日曜日)のチケットだということに気がついた...。

本日、会場で見かけた有名人はYOUくらいかなぁ。私本当に探すのヘタなので、もっといたのかもしんないけど。

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Comments

うん、合わないだあろうな~とは思った。
私も、プラス点よりもマイナス点の方が目立つ感触でした。

芝居が始まる前の、「¥9000-も払って失敗したと思ったでしょ?」の前説が
うーむな感な人が沢山いた感覚です。

堤さんは、芝居で現代劇は合わないじゃないかな~って思ってます。
シブイ役で時代物は舞台映えしてると思うんだけどなぁ~

犬山イヌコさん良いでしょ、見るならやっぱりケラなんだよね~

これまで見てきた、ケラ物では一番物足りなかったな~

音楽は良かったって思わない?

私に音楽のことを聞くのは間違ってる!(笑)
働け~働け~以外、全然覚えてないよーん。

>これまで見てきた、ケラ物では一番物足りなかったな~

そっかぁ。んじゃ、まだ「苦手」認定しないでおこう。

堤さんはねぇ。もっと違う役もやった方がいいよー。腰が決まる人なので、立ち姿はいいんだけどねぇ。

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