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2006.02.20

間違いの喜劇

土曜日は、「彩の国シェイクスピア・シリーズ第15弾『間違いの喜劇』」を観に、さいたま芸術劇場へ。
「贋作・罪と罰」の感想をうっかりアップし忘れていたので、久々の観劇日記だわ。

キャスト

アンティフォラス兄・弟(2役):小栗 旬
ドローミオ兄・弟(2役) :高橋 洋
エイドリアーナ:内田 滋
ルシアーナ:月川悠貴
エミリア:鶴見辰吾
イジーオン:吉田鋼太郎
バルサザー:瑳川哲朗

若手による、シェイクスピアの喜劇。
シェイクスピアは悲劇は大嫌いだが喜劇は大好き。好きな順に「十二夜」(子供の頃BBCのドラマのタイトルを見て真面目に「ナニ夜」だと思っていた)、「夏の世の夢」あたりだったんだけど、正直「間違いの喜劇」は読んだことないと思っていた。が、観てたら思い出した。

以下、感想。

面白かった。喜劇はやっぱりいい。
冒頭、笑えるのかなぁ。と若干思ったのだけど、乗ってきたら笑えた。そのノリまでが速かった。

小栗旬の舞台をやっと観れた(キッチン行けなかったからさぁぁぁ)。シェイクスピア台詞はところどころ噛んだりして不如意な感じもあったけれど、立ち姿がとにかく美しい。ってかカッコイイ。白マントも赤マントも翻すさまにクラクラした。足を長く見せる上着丈と、腰から続くズボンのラインに惚れ惚れした。

蜷川さんのシェイクスピアは、「リチャード三世」「ロミオとジュリエット」に続きようやく3本目なのだが、やはりこの方のシェイクスピアは面白い。シェイクスピア論に振り回されることない、ニナガワ・シェイクスピアだとはっきり思える。
今回のような若手中心の場合、シェイクスピアの言葉遊び部分は言葉を丁寧に発するよりも、むしろイキオイでおしまくって言わせるような印象がある。それでもまったく、コメディとしての劇に支障はないし、というよりその方が若者の愚かしいまでのイキオイが表現されるようで、私には好印象である。

今回の「間違いの喜劇」は、シェイクスピア特有の言葉遊び、言葉に言葉を重ねる手法がさほど強くもなく、台詞に振り回されることもなかったので、なおさら彼らの勢いがストレートに面白さとして伝わってきた。
脇を固める、ベテラン役者達が締める所はきっちり締めているのも素晴らしい。

高橋洋。m-san強力推薦のこの役者も良かった。
彼も「ロミジュリ」マキューシオ、「卒塔婆小町」の詩人に続いて、まだやっと三回目なのだが、見るごとに違う雰囲気で、演技の幅に圧倒される。マキューシオの出てきた途端に「あ、きっと彼が高橋洋」と感じさせた存在感、大御所の懐に抱かれるように繊細さを見せた詩人役とはまた違って、「間違いの喜劇」の間違いたる部分をくるくると台詞と声音を重ねながら見せる狂言回し役を、余裕すら感じさせる安定感で見せてくれたと思う。
「ロミジュリ」の時にも思ったけれど、抜群にシェイクスピアの台詞が巧い。道化的な狂言回し役は、とにかく台詞量が圧倒的でしかも道化っぽいリズムを求められる。そのリズムを単調だったり非常にのんびりとしたものにしたり、それはそれぞれ演出・役者によって変わるところだと思うが、ドローミオは速い上に、きちんと役にのっていた。
今後も楽しみで仕様がない。

ルシアーナの月川悠貴。まいった。やられた。撃沈だ。
m-sanから、女役が多いと聞いていたし、「卒塔婆小町」ではその艶姿も見ていた。が、しかし。開演して、客席からキャスト一同が現れた瞬間から、彼というか彼女に釘付けになった。
私の理想とする女がそこにいた。
細い肩。細い首。華奢な腕。まろい額。大きな瞳。つんと上を向いた鼻。小ぶりな唇。きゃーーーー!
首をそらし気味に傾がせながら、淑やかに話す姿に、さらにきゃーーー!
小栗旬・アンティフォラスとのツーショットは、かなりクラクラきたでございます。正直、ラストのダンスは小栗旬・アンティフォラスと踊って欲しかったであります。
何なのあの人。。。
しかも巧いし。さすがのニナガワ女形。睫毛の震えるさままで感じるような、美女っぷり。

エイドリアーナの内田滋。初めての俳優。
彼の場合は、月川くんと違って間違いようも無く女装の男性だったのだけど、愛情深くてヒステリックな妻がはまっていて面白かった。多分女性が演じるよりも、デフォルメされたパニックさが喜劇にはより合っているのだと思う。
姿的には間違いなく美人のエイドリアーナなんだけど、嫉妬や夫の奇矯な振る舞いに泣き叫ぶさまが、中々強烈で可愛かったりする。

エミリアの鶴見辰吾も何気に美人だった。喋ると鶴見辰吾だったんだけど。尼僧よりも貴婦人の姿が抜群に美人。はぁー。すごいなぁみんな。

唯一の不満は、瑳川さんの台詞が少なかったこと(笑)瑳川さんの声と台詞回しが大好きなのに~。残念。

笑って、笑って、楽しんだのに、ラストシーンではうっかり泣きそうになった。恐るべし!

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Comments

えがったでしょ?月川くん。あれを見せたかったのよお。
前にロミジュリ後にパリス役の事を
「あれってありなの?」のご質問に「彼はありなんです。」と答えた
私ですが、、、。
こういう女性役あっての男性役だったりするわけで、、、。
男性役は、この前のパリスと「キッチン」の時はギリシャ系キプロス人マンゴリス役だけで、それ以外はちゃんと男女でやっている舞台でも女性役です。
藤原くん「ハムレット」では劇中劇の王妃役、この時は本当に目を疑った。
あと「ペリクリーズ」の親父と出来てるお姫様、「近松心中」の花魁役と、結構目をひきます。あんまり台詞は無い役が多いですが、しゃべるとあの淡々とした台詞まわしがとてもキュート。「お気に召すまま」の彼は本当に見せたかった。あれもめっちゃかわいかった。

ラストのスローモーションなダンスは良かった。本当に良かった。

ちなみに、、、小栗くんは「キッチン」に出とらんです。
「ハムレット」と「お気に召すまま」だけ。
兄(小栗了)の方は何作か出てるけどね。
最後のもう一人が兄がやるなんて、、、結構笑えます。
あの兄弟背格好が似過ぎ。

えぇぇ、えらい勘違いしていたがな >小栗くん
でもって、小栗兄のこともm-sanの書き込みで知りました(笑)なるほど、背格好が似ていたのもうなづける。

月川くん、あの声と台詞の言い方もくらっくらだよ。男性の声なんだけど、ハスキーで色っぽい女性の声に聞こえるもん。
ところで、「お気に召すまま」の月川くんって何やったんだ?まさかロザリンド?

あ、あと書き忘れたけど、役者全員オツユが凄かった。1列目の人は間違いなく思いっきり浴びているな。舞台から客席近いからさぁ。

きょううる太は、世は釘付けするつもりだった。
しかもうるみの、舞台へ開演するつもりだった?

>ハスキーで色っぽい女性の声に聞こえるもん。

そうなんだよね。それが魅力的で(笑)

「お気に召すまま」はロザリンドのいとこ役のシーリア。
ルシアーナと役どころは一緒だよね。
恋をどうにかしようとするロザリンド(成宮くん)に淡々と冷静な語り口でつっこんで、いつの間にか、やっぱりオーランドー(小栗くん)の兄と一目ぼれして結婚してしまうところとか?このときは劇評にも「冷めたような淡々とした語り口がおもしろい」って書かれてました。

以下昔の「お気に召すまま」の感想
http://mimimi-love.cocolog-nifty.com/blog/2004/08/post_5.html

>役者全員オツユが凄かった。

ええ、すごかったでしょう(笑)
シェイクスピアって早口で、言葉量が多いからみんなえらい事になるよね。
吉田鋼太郎さんのなんてすごくって、鋼太郎さんのはちょっと嫌だなあ。
私はエイドリアーナの内田滋くんに、おもいっきり
「いやああああああ」って2回もやられましたけど、これは何もかからなかったな。(ものすごく気使ってやってた)
むしろ、横を走っていく洋くんの飛び散る汗の方がかかったかも(笑)それはそれでうれしい。

蜷川演出のの男性だけのシェイクスピアは腐女子向きです(笑)

初めまして、いつもROMでしたが初コメントです!

>多分女性が演じるよりも、デフォルメされたパニックさが喜劇にはより合っているのだと思う。
この一文、ちょうど私も同じようなことを考えていて、「デフォルメされたパニック」という言葉がぴったりで、納得です。

『間違いの喜劇』すごく楽しんだので、『お気に召すまま』を観ていないのが悔やまれます・・・。

小栗兄って、他に何出てたっけ?

>m-san

月川くんのルシアーナさぁ。ぶっちゃけ、抱きしめたくなるし、キスしたくなるし、気障な台詞で口説きたくなるんだよねぇ(笑)。m-sanの「お気に召すまま」の感想。アップした当時読んでいたんだけど、やっぱ自分が観てないもんだから、イマイチ実感がなかったみたい。今改めて読んだら、なんるほどーって思ったです。

>蜷川演出のの男性だけのシェイクスピアは腐女子向きです(笑)

まさしく腐女子向きだな。結局さ、いまだStudio Lifeは観た事ないんだけど、なんとなくあっちよりずっと腐女子向きなよーな気がする(笑)。


>yopikoさん

はじめまして!ようこそいらせられませ~。
コメントありがとうございます。舞台の演出で、「日常の中の非日常」をいかにして見せるかって部分が凄く好きなんですよ。まんまやっても実はさほどリアリティがなかったり、心に残るものでなかったりしません?

私も「お気に召すまま」観てないのが悔しいです~。


>いっこさん
多分はじめましてですよね。ようこそです~。
小栗兄はパンフレットによると「幻に心もそぞろ狂おしのわれら将門」にも出ていたみたいですね。

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