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2005.08.07

モーツァルト!帝国劇場

2週分溜めているガンダムSEED DESTINIYはこれから観るとして、今日のところは2年ぶりの「モーツァルト!」のことを。
いやぁ、待った、待った~!「SHIROH」が上演されるまで、私の中のミュージカルNo1にランキングしつづけ、数限りなくライブCDを聞きまくった「モーツァルト!」。本当に待ち焦がれていたわけで。

2005年8月6日:帝国劇場

ヴォルフガング・モーツァルト:中川晃教
コンスタンツェ:木村佳乃
ナンネール:高橋由美子
ヴァルトシュテッテン男爵夫人:香寿たつき
コロレド大司教:山口祐一郎
レオポルト:市村正親
セシリア:阿知波悟美
アルコ伯爵:花王おさむ
シカネーダー:吉野圭吾

感想の前に腹立たしかったことを言って発散してしまえ!
本日、最悪の観客がいた。私の後方2列ぐらいのところに座っていたヤツ!ぺちゃくちゃしゃべるわ(しかも、アッキーの静かな曲の時にまでっ!)、カサカサとビニール袋の音を何度も立てるは!、挙句の果てにフィナーレの当たりからずぅぅぅっと鈴の音がっっっっ!!あーりーえーなーいいいいいい!帝劇であんな音させているヤツに遭遇したのは初めてだっ!
ぶっとばすっ!」
同じヤツだったかどうかは判らないが、そんな非常識なやつが複数グループいたとは思えないから、きっと同じヤツだ!

気を取り直して感想を。

コンスタンツェとヴァルトシュテッテン男爵夫人以外は初演とまーーったく同じ皆様!いやもう、ねぇぇ、なんか皆こなれててさぁ~、すげぇ幅が広がっているという印象。

しかし、あれだね、再演でセットが趣味悪くド派手になるというのは、小池さんの趣味なのか??「エリザベート」に続き、「モーツァルト!」でも電飾ばりばりに。。。あれはちっといただけないなぁ。
が、しかし、作品の出来としては、はぁ~もう大満足ぅぅ!ゲキ×シネ「SHIROH」を観るまでは当分、頭の中が「モーツァルト!」でイッパイになりそうだ。
あ、そういえば、帝劇でゲキ×シネ「SHIROH」の予告編を観ちゃった。観入っちゃった~。


2002年の初演を観たことが、その後私に「月に一度は舞台を観よう!」と決心させたことからも判るように、この作品私にとっては、非常に思い入れの強い作品である。


父と子、権力者との対立、一つの肉体に宿る異なる心、子供の愛と大人の愛。歴史的背景を彩りに、一人の天才の魅力を余すことなく描いていると思う。大きな筋として「自分」というテーマが与えられ、ヴォルフガング自信も、周りの人間も自分→モーツァルトの存在をそれぞれのスタンスで捕らえながら、彼とは何者なのかを謳いあげている。ヴォルフガングは「僕こそ音楽!」と高らかに、そして悲痛に叫び、父レオポルドはエゴイスティックな愛をにじませながら「私の育てた天才」と言って憚らない。姉ナンネールは「私達はプリンスとプリンセスだった。私も皆に愛されてた」と弟の栄華を自分に重ね合わせ、妻コンスタンツェは「彼にインスピレーション与えたいけど私にはできない」と絶望する。
コロレドもヴァルトシュテッテン男爵夫人も、シカネーダーもすべての人々がそれぞれの立場でヴォルフガングを愛する(執着とも言う)が、「彼」を真の意味で理解するものは誰もいない。ヴォルフガング自信もだ。彼自身が、アマデと向き合い、真の天才として一つの曲を書き上げた時、天才で子供だった少年はこの世を去る。

初演で観た時から、このモーツァルトの死の解釈が素晴らしいと思った。

一幕ではアマデがヴォルフガングの腕に羽ペンを突き刺し、その血で楽譜をしたためる。二幕では、ヴォルフガング自身が自らの腕に羽ペンを突き刺す。この作曲という天才の仕事の演出もものすごく好きだ。文字にすればそれこそ”血のにじむような”とか”身を削って”というような表現になるのだろうと思う。二幕のレクイエム作曲の際のヴォルフガングの懊悩が胸を打つのだ。わが身にペンを突き刺さずにはいられない、血を流してもそれでも書けない。アマデが手を伸ばしたその時...というのが堪らない。

「モーツァルト!」に私がこれほどはまっているのは、勿論その曲の素晴らしさもある。大好きな曲達を久しぶりに生で聞いた時にゃぁ、相も変わらず落涙してしまった。好きな曲はそれこそ全部と言ってもいいくらいなのだが、本日の(も)落涙ポイントはこの3曲かな。

僕こそミュージック
一幕の少年ヴォルフガングが天真爛漫に歌い上げれば歌い上げるほど、涙が出てしまう。二幕の最後、絶望の中に音楽を我が手に収めた彼の歌う切ない「僕こそミュージック」が哀しすぎる。あの瞬間、確かにヴォルフガングは本当に”音楽”になったのだろう。と。だからこその死なのだろうと。そう思うことで、ただ悲劇なだけの死ではないと思いたい自分がいる。またアッキーの歌が~。

星から降る金
3年前、初見でぼろぼろと泣かせられた曲。曲自体が素晴らしいのは勿論、この曲が歌われる背景が。過保護の度を越した父レオポルドを諌めるために、出て行きたいというヴォルフガングの気持ちを後押しするように、歌われるこの曲。歌詞の王様がかなり切ない。哀しい親バカで「ここより他によい国はない」と息子を束縛しようとするものの、若い王子様は広い世界に旅立とうとする。これだけでも父親には大打撃なのに、畳み掛けるように男爵夫人は言い放つ。「愛とは解き放つこと。愛とは離れてあげること」もうねぇ、この時のパパ・レオポルドが哀れで哀れで胸を打つのだ。

影を逃れて
一幕、二幕の最後を飾るこの名曲。本日も自分で自分の腕を抱き、泡立つ肌を必死で抑えてしまった。すごすきる曲だ。「自分の影から逃れられるのか」「どうすれば逃れられるのか」「自分の影から自由になりたい」ヴォルフガングは自分の影・アマデから、自分の運命・孤独な天才から自由になれたのか。私はたとえ死という形でそれが表現されたのだとしても、自由になれたのだと、音楽に支配された人生から音楽を自分の中に取り込み自由になれたのだと、そう思いたい。

でもって、演出だが、うーん意外に初演を忘れてしまっている。最後って、あんな終わり方だったっけ?ヴォルフガングとアマデって椅子に座ってたっけ?セシリアとかナンネール出てきたっけ?覚えてないよーん。でも、まぁ他は基本的に変わりがなかったように思う。コロレドとかパパとかシカネーダーがちょっと小ネタを仕込んでいたけれど、大きな差はなかったかな。んーでも”芝居”のシーンが増えていたように思うのは気のせいか?

キャストのこと
二回目の人がほとんどなのは前にも書いたとおり。再演組が軒並み余裕があって、本当に表現力の幅が広くなっていた。さすがである。

ヴォルフガング:中川晃教
う、歌のパワーがアップしている。。。

レオポルド:市村正親
ぱ、パパ度がアップしている。。。

コロレド大司教:山口祐一郎
と、トイレ行きたい度がアップしている。。。

あっきーは、初演の”やんちゃ坊主”全力投球ぶりと比べると、若干大人っぽくなっていたような気がする。この3年間の成長振りがうかがえ、一幕の無鉄砲なやんちゃ坊主、二幕の理解されない天才の演じわけが出来ていたのはさすがだ。初演でどうしても笑ってしまった「どうして判ってくれないんだっ」が格段に上手くなっていたのには泣きそうになった(笑)。
歌の表現力については、いまさら言うこともないだろう。「SHIROH」で身に着けた(のか?)、歌のテンションの強弱の素晴らしさが加わっているし、懐が深くなったおかげで父レオポルドとの確執と愛も深くなっていたように思う。

パパは正直初演の時より数段良かった。初演の時は、市村さんの初めて観るパパ役というのに非常に違和感を覚えたものだが、父性愛と利己的な音楽家の顔の共存ぶりが素晴らしかった。
リーヴァイ氏というのは”分かり合えない愛”というものが好きなのだろうか?コンスタンツェとヴォルフガングの愛情もそうだし、「エリザベート」のフランツとエリザベートなどもそうだ。お互いに大事に思いあっているのは確かなのに、決して分かり合えない二人というのがよく出てくるように思う。

コロレド猊下は、、、初演の前半の生真面目で気位の高いお貴族様はどこにいったーーっ!というくらいに飛ばしていた(^^;; 品性を保ちつつもお下劣で、ヒステリックで、コミカルな猊下というのは初演の後半では既に確立されていたものの、それが今回さらに強調されていた。トイレ行きたい度は、内股で股間を押さえてよろよろカニ歩き。衝立の陰からぬぼぉ~と顔だしなど、もうファンサービスに努めていたさ。走り出す馬車の振動で馬車の壁に頭打ちつけなんかもあったな(笑)。
若干やりすぎじゃないかと思わないでもないが、楽しそうだし、歌の迫力が更に高まっていたので、満足満足。あ、でも、「神よ、何故許される」の冒頭。前はヴォルガングの楽譜を見ながら指先で軽く指揮していたのだけれど、それが無くなっていたのが残念。あの指揮する猊下があぁ譜面読める人なんだぁっていうインテリジェンスを感じさせて好きだったのに。

この三人、歌のアレンジももんのすごくパワーアップしててびっくりした。こちとら、ライブCDで初演お歌い方がしみついていたので、いぁやぁビックリだ。

コンスタンツェ:木村佳乃
うーん、すまん。松・コンスタンツェと比べることはすまい!と思っていたのだが...。私の中では松・コンスタンツェが全ミュージカルの中でも殿堂入り!というくらいの位置にいるため、どうしても比べてしまう。
木村佳乃、決してヘタではなかった。歌もそこそこ上手かった。ささやくような歌い方は好感も持った。だが、声量が...。アッキーとデュエットすると格段に差が判ってしまう。台詞の時の力強さと歌の時の差が激しすぎる。部屋に帰ってきて、ヴォルフガングと言い争う場面などは、迫力があって怖いくらいなのだが、あそこはああいう風にはやって欲しくなかった。もう、彼女はヴォルフガングが好きで好きで、だからこそ絶望してヒステリー起こすけど、でも愛していて...そういうの希望。だってね、それじゃないとね、コンスタンツェの存在意義がかなり希薄になってしまうような気がするのだ。
そして、どうも魅力のないコンスタンツェだった。ズバリ可愛くないのである。コンスタンツェってヴォルフガングに恋する時点でいっちゃっている少女だと思うのだよ。「あんたって、やっぱり並の男じゃないんだねっ(はーと)」こんなこと真顔でいうバカ可愛い娘なのだよ、コンスタンツェは(^^;; でもねぇ、木村・コンスタンツェは本当に普通の娘に見えた。彼女がヴォルフガングに恋する理由が見えてこない。おばかというより無垢でなければ、あのヴォルフガングに惚れないと思うし、同族だからこそヴォルフガングはコンスタンツェに惚れたのだと思うのだが、その辺がどうにもマッチしない。初登場の当たりは無垢というよりバカに見えたし、結婚してからは愛しているからこそ夫を理解しようと苦悩する新妻というより姉に見えてしまう。
あぁぁぁぁ、すまんが、松・コンスタンツェが観たいぞ~!!
10月の近鉄公演では大塚ちひろちゃんだ。歌唱面では不安が残るものの、彼女の不安定さがコンスタンツェとシンクロすれば、私好みのコンスタンツェが観られるのではないかと期待している。
木村さん、本当すまん。


ナンネール:高橋由美子
大好きなナンネール。彼女の屈折具合が最高だ。
ほんの少女の頃、結婚して子供も生んだその後も、いつでも弟の成功を我がことのように喜ぶその姿に屈折したものを感じてしまうのは、うがち過ぎか?いや、そうではないだろう。彼女は弟のよき理解者であり、父を愛する心優しき女性ではあるが、その心の底に女であることの哀しさ、家族の犠牲になった自分を封印している人間であるのだ。だからこそ彼女の「どうか返してちょうだい、私の人生を」「もし私が男だったら、音楽を続けた」という叫びが胸を打つ。彼女の存在があるからこそ、この舞台の厚みがましている。
そして高橋由美子は、この舞台の中で唯一と言っていいほど年齢の変遷を感じさせる複雑な役を、愛らしい少女期から喪服の夫人まで、なんの違和感もなく演じてくれるバケモ...
本当に大好きな女優だっ!


シカネーダー:吉野圭吾
すっごぃ、キレっぷりだった(笑)
すげぇの、華撒き散らしなの。目が追っちゃうの。足がキレイなの~(笑)。
アドリブで玉砕した「SHIROH」の鬱憤を晴らすがごとく、きゃーーっというくらいシカネーダー役を楽しんでいたように見えた。
歌もダンスもレベルアップ!
フィナーレの「影を逃れて」の時の劇唱ぶりに胸が熱くなった!


ヴァルトシュテッテン男爵夫人:香寿たつき
上手かった~。久世さんの男爵夫人と差が無かったな。差が出にくい役だとは思うのだが。
この方の「星から降る金」も素晴らしかったね。あの椅子に腰掛けて、昔話をしましょう。というのがいいんだなぁ。でも、あの歌はほんと卑怯技ですよ、パパ可哀相~(^^;; とはいえ、彼女がいたからウィーンでのヴォルフガングの成功があったわけで。

さぁーって、次は名古屋であっきー版とよっしー版だっ。大塚・コンスタンツェと、エリザベート一路・男爵夫人にもんのすごく期待だっ。
本当は東京でよっしー版も観ようと思っていたのだが、コンスタンツェがなぁ。あぁこんなことなら7月の西田・コンスタンツェを観とけばよかったかなぁ。初演の時より格段に良くなっていたという話だし。。。ちょっと後悔~。

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Comments

先日、M!初見してきました。
井上君&木村佳乃バージョンでした。

全体の流れは理解できたものの、初見なのでいろいろと見落としている部分や歌詞などありました。

この感想読んで、いろいろと腑に落ちる部分がいっぱいありました。
それにしてもすごい読解力(観解力?)ですね。感心しきりです。

次回は名古屋です。
中川君バージョン楽しみだし、大塚ちひろちゃんと中川君のベット上シーンなんて、
考えただけで・・・(笑)

楽しみです!

>カノンさん
おー、ついに初M!だったのですね~。
お褒めにあずかり恐縮です。でも、ほとんど自分の思い込みってぇ感もなきにしもあらず~(^^;;
どうものめりこめる舞台とそうじゃない舞台の差が激しいみたいです、私。M!は間違いなくのめりこめたミュージカルみたい。

名古屋楽しみですねー。ちひろちゃんのコンスタンツェに本当、かなり期待していたりします。
「乾杯?それとも、キス?」
きゃーーー!(笑)

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