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2004.12.28

ロミオとジュリエット 日生劇場

20041227_01本日(12/27)日生劇場にて「ロミオとジュリエット」を観てきました。
気がつけば、これも前楽だったのね。明日は、いよいよ待ちに待ったSHIROH二回目。東京前楽でございます。

まず、最初に言っておきます。「リア王の悲劇」の時にも書いたけど、私はシェイクスピア悲劇が大嫌いです。その中でも「ロミオとジュリエット」は最も嫌いな作品の一つです。だって、救いがないんだもーーん!というのが理由なわけですが、それでもついつい観ちゃうという罠。

以前、どなたかのBlogで「ミス・サイゴン」におけるキム&クリスの愛のバルコニーシーンを差して「バカップル~!」と叫んでいらしたのを読んで大爆笑したことがあるのですが、本日は、元祖バルコニー元祖バカップルの登場でございます。
m-sanも某所の日記に「バカップル」と書いていらっしゃいますが(はよBlogにもあげなされ)、「ロミオとジュリエット」こそ戯曲の生んだ不朽の名バカップルであると思います。
今日も観劇しながら心の中にはでっかいメガホンとハリセンを用意して、「おーまーえーらー!人の話を聞けっ!」とか「ちったぁ、落ち着け!」とか「バカップルーーーーっ!」とかツッコミまくりで楽しみました。

が、しかし、ラストのモンタギューとキャピュレットの和解の場面あたりから、涙がにじんでまいりまして、カーテンコールでは臆面もなく涙してしまいました。正直に言います。
感動しちゃったのね。

カーテンコールに涙したのは、生まれて初めて「キャッツ」を観た時、「THE WINDS OF GOD」を観た時、「モーツァルト!」を観た時以来でございます。
やられた...ちょっと悔しい~!
14歳の運命の五日間を激走した、若い恋人達に思いのほか感情移入させられたようです。

で、キャストについてですが。
藤原・ロミオ&杏・ジュリエットが良かったんだわ、これが。

★ロミオ(藤原竜也)]
いやぁもう、惚れるわっ!
この人は凄いね~。まだまだ底が見えません。この年で、シェイクスピアの台詞をあれほど見事にこなせる役者もそうおるまい...という気分にさせてくれます。
とにかくキュート!わかっ!
パンフを読むと、どうやら稽古の最初とは演技プランをがらっと変えた瞬間があったようです。
苦悩するボンボン色の中に、恋する喜色満面でぶっちぎる一幕。その初々しく恋する表現が本当に良かった。壁にゴンゴン頭ぶつけるサマなんて思わず「アホか~っ」と心のハリセンをお見舞いしたくなる程でございました。
そして、その恋の幸せに酔いしれる一幕があってこそ、尚更二幕の悲劇を匂わせており、その死にっぷりといい悲劇の貴公子として満点です。

そうそう、セットを存分に活かしてロミオの心情を演じたという点でも素晴らしかった。セットは上下三段なのですが、一段が2mちょっとくらいかな。最上段は天井につくかというくらいの高層セットでした。藤原君はこの上から下まで階段を使わずによじ登り、飛び降り(上段から懸垂状態で下段に飛び降りる姿にクラっ~)、時に壁に拳や額を打ちつけ、その激情を表現していました。

★ジュリエット(鈴木杏)
正直、アオドクロの沙霧はあまり良くないと思ってしまった杏ちゃん。でも、この年代の女優で他に誰がいる?と言われて、やっぱり他の追従を許さない程の実力者杏ちゃん。でもでも、気品ある”お嬢様”が彼女にできるのか?と疑問を持ちながら観たわけですが...ごめん!すごく良かった!
時々長台詞が噛み気味でイキオイで聞かせているような箇所もあったけど、そこはまぁご愛嬌というか、そこをあまり気にさせないくらい、純で突っ走る可愛さ満点、10代の杏ちゃんにしかできないジュリエットだったと思います。
ジュリエットに必要なのは、気品とか、台詞回しのテクニックじゃなくて、とにかくイキオイでいいんだぁ~。なんて風に納得させられちゃう程に、とにかくひたすら泣きながら恋に生きて死んでいったジュリエット。
すごくねぇ、等身大のジュリエットを見せて貰ったという気がしました。一番、今の杏ちゃんに合っているところで役とシンクロしてたみたい。
今後の杏ちゃんの成長がますます楽しみになってしまいました。

★で、ロミオとジュリエット
可愛すぎるからっ!二人の出会いのシーンから可愛すぎるからっ。
私の座った座席の関係上、ロミオ様の表情はほとんど判らなかったのですが、
「あ、ジュリエットがロミオ様発見!」
「あ、気になってます、気になってます!」
「あ、もう目が釘付けです、離れません!」
「あ!ついに二人が踊ります!」
という感じで見ているこっちが恥ずかしくなるわ~!
もう、ほんと、ラブラブ。上下三段に組み上げられたセットを縦横無尽に駆け巡り、その思いのたけを長い長い愛の台詞にのせ、抱き合う、キスする、また抱き合う!そのたんびに、最後の別れの”ひばり”の場面ですら、私の心のメガホンからは

こ~の、バカップル~!!

という絶叫がほとばしっておりました。
このバカップルさが、ロミジュリの肝!ということを改めて知りました。どれだけ、可愛らしく幸せな恋人を演じられるか、とりすまして「その名をお捨てになって」だの言ってる場合じゃないのね。
あのバルコニーのジュリエットの独白をあんなふうに、恋する14歳の乙女の「おぉ、ロミオ様」に見せてくれるとは。それを聞いたロミオの「お、おれ?おれのこと?」ってーなリアクションで見せてくれるとは!

やばい、書いているうちにどんどんどんどん”良かった!”と思えてきた。

★マキューシオ(高橋洋)と、ティボルト(横田栄司)
m-san絶賛の高橋洋君を初めて観ました!なーるほーどねー!とばかりに、ウンウン頷いてしまった。
上手いし、キレイだし、華もあるし。
若手の中では、藤原君と共にシェイクスピアの台詞が一番身について喋っているという感じがしました。

っつかですね。私はマキューシオとティボルトの上半身裸体にノックアウトです。あ、いや、ジェット団とシャーク団の皆様の上半身裸体にもノックアウトなのですが、この二人がまぁぁぁぁぁぁぁ、なんて綺麗な筋肉を見つけていらっさるのでしょう~。
マキューシオは線が細いのに腹筋割れてるわ、ティボルトはマッチョではないのに胸板もすばらしいわ...。

この人達で「ムーンチャイルド」舞台化してください...(ボソッ)

どーせ、腐っているんです、私。


★僧ロレンス(瑳川哲郎)
実は...ロミジュリの中で誰が一番嫌いって、ロレンス神父だったりするんだな。
聖職者のツラして何してくれちゃってんの、この人は~~!!!余計なことすんなよー!相手は子供なんだから不確定要素のある段取りつけてんじゃねぇよぉ~って感じで。
まぁ、それが悲劇の悲劇たる所以なわけですが、今回の瑳川さんのロレンスはちょっぴり卑怯味も混じっていて面白かった。パンフにも書いてあるのですが、ロミオが死んでジュリエットが仮死状態から生き返って、で、ロレンスってば逃げ出しちゃう!当然、心のハリセン「逃げんなよっ」って炸裂ですが、そこが妙に人間臭くって、悲劇の源として責任とった役柄になっていて良かったです。

しかし、瑳川さんの台詞まわしはさすがです。脱帽!
聞き取れなかった、わからなかった台詞一個もありません。シェイクスピアの台詞回しは難解だとかよく言われるけど、決してそうじゃないことがこの方の台詞を聞いているとよく判ります。
この方のシェイクスピアは「リチャード三世」のバッキンガム公以来二度目ですが、本当に素晴らしい。

この舞台、脇に名優を配置して要所要所でぴりっと締めて安定感を持たせながら、主軸に若手のはちきれんばかりのエネルギーを持ってきているところが、さすが蜷川!と思ってしまいました。

あぁ、いいもの観た~!

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Comments

>この人達で「ムーンチャイルド」舞台化してください...(ボソッ)

ってあなた、、、、。それだけはやめておくれでないかい(笑)
そういや横田さん観てるのは
蜷川では
2000年「グリークス」
2001年「近代能楽集/卒塔婆小町」(洋くんと変更したやつ)
だけだった。この「グリークス」でもなかなか印象深い役をやっていたのだけど
今調べてて、ああ、横田さんだったんだ〜って知ったのでした(笑)
「青ひげ公の城」の出てんね。知らんかっただ。

m-san、ダブってたからコメント一個けずったよ。
「ムーンチャイルド」案だめっすか。そうっすか。んじゃ、あきらめます。
横田さん「青ひげ公の城」の出てたのか~。わからなかったよぅ~。

TBさせていただきました。
はじめまして、chibiです。

私は初観劇だったせいか、セリフが聞き取れないところがあったのですが、また見たいと思わせてくれる作品でした。

こちらの感想を読んでそ~なんですよね!というところがたくさんあったので、あえてTBさせて頂きました。

これからもちょこちょこ遊びに来て参考にさせていただきます。

*私も"樹なつみ"さん、大好きです!

chibiさん、コメント&TBありがとうございます!

初観劇でシェイクスピア、しかもこのロミジュリというのは中々面白かったのではないでしょうか?
私は今回のロミジュリを観て、これまでのシェイクスピアの台詞へのこだわりがちょっと変わりました。

観劇日記はこれからも続けますので、是非おこしくださいませ。

そして、OZ!舞台化しますねー。
チケットが取れたら観に行こうかなぁと思っています~。

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