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2004.12.18

走れメルス 少女の唇からはダイナマイト!

本日12/18は、シアターコクーンでNODA・MAP走れメルス 少女の唇からはダイナマイト!」を観てきた。
プレリザーブで考えなしに四枚取ったチケットは、S席ではあるが中二階で非常に首と腰が痛くなる席だった。ご一緒してくれた、O原さん、catpawさん、sin-newsさん、すまん!

キャストはこんなん。

(こちら岸)(向う岸)
芙蓉深津絵里
久留米のスルメ 中村勘太郎
零子小西真奈美
メルス・ノメルク 河原雅彦
大地主芦田刑事古田新太
百太郎太股田刑事小松和重
城代家老脇田刑事浅野和之
勘定奉行尻田刑事松村武
小作人踵田刑事腹筋善之介
三匹の侍1臑毛田刑事六角慎司
三匹の侍2膝小僧田刑事桜井章喜
大奥様桐島洋子野田秀樹
女学生1桐島年江峯村リエ
女学生2桐島歌江濱田マリ
女学生3桐島花江池谷のぶえ

いやぁ、今、ものすごく脳が疲労しているのである。
脱力感と疲労感がひどく、帰ってきてから甘いカフェ・オレを大きなマグで二杯も飲んでしまった。しかも、異常に興奮し焦燥感も感じるという、一言で言えば軽いショック状態・パニック状態にあると言えるだろう。
家に帰ってから、ドラクエする気にもならず、家事をする気にもならず、新刊の検屍官シリーズを読んでみたが身が入らず、PCに向かう気にもならなかったのだが、この日記を書き出して「あぁ、これだ!」と思った。今のこの疲労具合をどこかにぶちまけたかったのだ私は。

感想は、正直に言えば「すごく面白かったけど、よく判んなかった」だ。

野田秀樹の舞台は、94年の「キル」、96年の「TABOO」以来なので実に八年ぶりということになる。相も変わらず舞台を駆け回るエネルギッシュさと、マシンガンのように繰り出される言葉遊びを存分に楽しみながら、相も変わらず難解な物語に翻弄された2時間弱であった。

野田秀樹の舞台を観るといつも「私はなんて頭が悪いのだろう...きっと野田秀樹が意図する1%も私は理解してないに違いない...すまん野田さん」という虚無感に襲われることになる。それでも、野田舞台に魅力を感じるというのは「私はマゾなのかしら...」と思わんでもないのだが、舞台から発せられる空気、肌で感じる”何か”を脳で理解するのではなく生理的に解釈しているからではないかと思う。そう、私の生理が”これは面白い”と思っているのではないかと思うのだ。

昔、ピーター・グリーナーウェイの映画にはまった時も同じ思いをしたのだが、脳の処理許容量を超える圧倒的な情報量に対して、私の脳は明確な分析と解釈ができないのである。しかし、解釈しきれない情報は私の脳に高負荷をかけ続け、あるときポーンとはじける。

いいじゃん、判んなくても!
だって面白いと”感じる”んだもん!

自分の喜怒哀楽について理由をつけて納得したがるというのは、持って生まれ、そして成長するにしたがってより強固に身に付いた習性である。しかし、理由がなくても、いや理由がつけられなくても素直に感じる心を大事にすべきだろう!と最後には開き直って自分の頭の悪さを認めてしまうのが私である。

とまぁ、ぐたぐたと書いてみたわけだが、とどのつまり、「走れメルス」は、これまで二度観た野田舞台と比較しても、ほんとーに判らなかったのである(^^;;
あまりにも判らないので、プログラムの他にシナリオも買ってしまったほどだ。
しかし、判んなかった=面白くなかった。というわけでは決してないところが、野田舞台の罪深さだ。判らない自分を責めたくなる。この頭の中にもやもやとしている物に明確な形を与えてあげたい。そういう気分にさせるのである。
これから、シナリオを読み、一月後半にもう一度チャレンジだ!

夢の遊民社時代をまったく知らなかったので、この「走れメルス」が7度目の再演舞台であることもプログラムを読んで初めて知った。観終わった後にcatpawさん、sin-newsとお茶していたのだが、初期の若い頃の作品だけにガチガチに難解なんだよ~というcatpawさんの言葉にえらく納得してしまった。

キャストのこと。
とにかく、キャストの面々の素晴らしさだけでも観に行った甲斐があったというもの。
その中でもやはり野田&古田コンビは素晴らしい。登場するだけで、笑いを取る。緊張感を感じる。どうしても目を攫ってしまう存在感。ネタものの面白さも際立っていた。

そして小西真奈美!チケットを取りながらも体調不良で観に行けなかった「赤鬼」。しかし、ようやく舞台の上の彼女を観ることが出来た。噂に違わぬ迫力である。TVで見せる細い声と華奢な容貌は詐欺だろ~と言いたくなるほどの、腰のすわりよう。声の通ること通ること。彼女が朗々と読み上げる帝国海軍連合艦隊の戦艦名の場面は素晴らしかった。

深津絵里は、見終わった直後は正直イマイチ...だと思っていた。が、時間が経つにつれ脳内情報処理が進むにつれ、彼女の演じた役を咀嚼することができてきたような気がする。
でも”向う岸”とは、彼女の読み上げる勧進帳...いや空想の世界だったのか、それともパラレル・ワールドとして解釈してよいのか、本当に地理的な向う岸なのか、そんなことすら未だ判断できないでいる。
だから、零子とは、メルスとは、なんなのかもよく判っていない。
ただ、鏡を通してメルスと向かい合う彼女の姿を思い出すと切ないし、焼けた集積回路工場の七人の骸、スルメに抱かれた芙蓉の姿を思い出すと、悲しいという感情が胸をつくのだ。

これから、シナリオを読み、また感想が変わるのだろうと思う。そしてもう一度舞台を観て、さらに感想が変わるのだと思う。それが楽しみであるとともに、あぁまた脳が疲労するなぁという予感もするのであった。

あー、ちょっとすっきりした!

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Comments

TBありがとうございます。
PC故障によりお返事が遅れてすみません。

>いいじゃん、判んなくても! だって面白いと”感じる”んだもん!
>これから、シナリオを読み、また感想が変わるのだろうと思う。そしてもう一度舞台を観て、さらに感想が変わるのだと思う。それが楽しみであるとともに、あぁまた脳が疲労するなぁという予感もするのであった。

に、大きくうなずいてしまいました。

>演劇な日々さん
TB返し&コメントありがとうございます。
先日台本を読んだんですが、やっぱり初見ではわかってなかったことが色々見えてきて面白いもんですね。
1月後半が楽しみです。

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